ムーンライトを観たので感想を書いた
「ムーンライト」を観てきました。
公開最終週(場所によるかもだけど首都圏だと多分今週末までのところが殆ど)のレディースデーに滑り込みで。
GW初日からこんな空気の重い映画観にくるヤツ居るのかと思ったけどほぼ満席。直前まで買い物に夢中になってたせいで席に着いた時にはもう新作映画の予告が始まってたから客層はよくわからなかったけど、私の両隣はそれぞれ一人で観に来たおじさんとお姉さんって感じだったかな。おじさんポップコーンめっちゃ食べてた。
映画には全く詳しくないもので、なんかアカデミー賞を獲ったらしいということはぼやっと記憶していたものの何部門の賞なのかも知らないまま、あとは思慮深い友人の「観た方がいいよ」の一言に導かれての鑑賞となったのだけど、観て良かったです。
※以下ネタバレ含※
アカデミー賞だからきっとそれなりに派手な展開なり表現があるのだろう、とこれまた雑なイメージのまま観始めて、終演後最初に思ったのは、一人の黒人男性の、ごく普通の人生を丁寧に描いた作品だったなぁということ。
幼い少年時代、思春期、そして大人の男性としての生き様が三部構成で描かれていて、たしかに人種やLGBTにまつわる差別問題、麻薬コミュニティの描写には注力していたし、それらがこの作品を語る上で重要なキーであることには違いないけど、それでも、画面の中にあったのはあくまでも一人の人間が生きた生々しい現実でしかなくて、当然、ファンタジーでも英雄伝でもなかった。
主人公のシャロンが惚れる友人の男の子も全然かっこよくないんだけど(主観)、またそのかっこよくなさと、それでもシャロンが彼を見る目が他と明らかに違う様子を見て、「惚れた者の弱み…」と思いながら妙なリアリティを感じてグギギとなりました。
話の筋はちっとも明るくないのに、ひとつひとつの描写に対する誠実さを常に感じていたせいか、全体を通して穏やかな心で受け入れられた気がする。
余談ですが、この映画にジャネール・モネイ(=テレサ)が出てるって知らなくて、出てきた時かなり驚いたんだけど、咄嗟に名前が出てこず、結局映画が終わるまでモヤモヤし続けてしまった。
「なんだっけ、ギル・スコット・ヘロン…?」と一度間違った答えに辿り着いてからは考えるのを諦めたけど、ギル・スコット・ヘロンは男性ですね。
あとあとやっぱり、私は個人的に親子愛に関する描写にどうしても弱いので、シャロンと母親のやり取りはずっと胸が苦しかったです。
無償の愛ってきっとあるんだろうなと思ってるんだけど、それを例えば親子間で見た時、何を理由にしたらいいのかはよくわからないんだよね。血の繋がりってなんなんでしょう。。
というわけでまとまりもまとめる気もないままダラダラと書いてしまいましたが、とにかく深い深い余韻のある作品でした。
おかげで2年半ぶりにブログ書いちゃったりしてね。ていうか2年半ってマジか。。
次は何年後だろう、それか明日かな。
最後に、この映画を進めてくれた友人からあわせて勧められて、発売当時しばらく聴いてたけどまたじわじわ再燃してる音楽をば。
こっちもいいよ